基礎研WEB政治経済学用語事典

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 オゾン層破壊

 地球の周りは対流圏で包まれており、その上に12kmから50kmの厚さで成層圏がある。成層圏では、酸素分子(O2)が酸素原子(O)に分解し、それが酸素分子と結合して、オゾン(O3)を生成する。それは太陽光線に含まれる有害な紫外線を吸収し、地表に降り注ぐことを防いでいる。冷蔵庫、エアコン、殺虫剤、電子部品の洗浄などに使われるフロンガスは、ゆっくりと上昇し、成層圏にたどり着くとオゾンを破壊し、その穴(オゾンホール)から直接地表に紫外線が降り注ぎ、体内に浸透するとDNAに影響し、しみ、ソバカス、白内障、皮膚がん、喉頭がんの原因となる。特に南極の上空でオゾンホールが見られ、オーストラリアでは深刻な問題となっている。フロンガスの規制は進んでいるが、地表から成層圏まで到達するには10年ほどかかり、したがって今後ともオゾンホールは消えることは無い。
 
 紫外線のうち、UV-Aはほとんどが地表まで到達するが、しみの原因となる程度で、深刻な病には結びつかない。UV-Bは、一部地表に到達する。UV-Cが一番有害であり、それがオゾン層によってほぼ吸収されている。紫外線に影響を受けるのは、メラニン色素が少ない白人であり、直接体内に入ることになる。黒人は皮膚で紫外線を吸収、拡散する。
 
 

(1)石弘之『地球破壊7つの現場から』朝日新聞社、1990年。
(2)石弘之『私の地球遍歴』講談社、2002年。
 
                                       (梅垣邦胤)