島恭彦 監修
『講座・現代経済学』全6巻

青木書店

第1巻 経済学入門
  1978年3月  1,200円

労働と生活に根ざした新しい経済学創造の試み!

国民の身近な日常生活上の問題をやさしく解き明かすとともに,従来の経済学とは異なるまったく新しい体系と問題解決のみちすじを指し示す斬新な入門講座


 『講座・現代経済学の読者へ』 島 恭彦

 序章 労働と生活の経済学
      1 私たちのくらしと生活手段
      2 職場と分業
      3 商品生産と私的所有
      4 貯蓄と資本蓄積
      5 発達の経済学

 第1章 技術の経済学
      1 労働の節約と労働手段の役割
      2 猿と人間とのちがいについて
      3 自動化と専制化のメカニズム
      4 生活における技術
      5 精神労働と肉体労働
      まとめにかえて――技術と未来の社会科学

 第2章 資本の経済学
      1 独占の経済学
      2 中小零細業者の経済学
      3 農林漁業者の経済学
      4 労働者階級と官僚機構

 第3章 自治体の経済学
      1 新しい家族の発展-都市問題
      2 新しい型の公務労働者
      3 発達保障の財政民主主義
      4 地域と産業および防災

 第4章 発達の経済学 ―教育と福祉を中心に―
      1 発達の経済学の課題
      2 現代日本の貧困と発達 ―教育・福祉・貧乏―
      3 生存権・労働権・教育権
      4 働きつつ学ぶ権利

 第5章 民族問題の経済学

 第6章 軍事の経済学
      1 戦後アメリカの世界戦略と軍事力独占
      2 アメリカ軍事経済の発展
      3 共同防衛体制の性格
      4 総合戦力構想の登場とその特徴

 第7章 人間の全面発達と現代経済学
      はじめに――貨幣と嘱望の発達をめぐって
      1 自然改造の力の発達
      2 営利主義をのりこえる力の発達
      3 官僚主義を変革する力の発達
      4 個人の全面発達と現在経済

 補論 現代経済学の学習・研究・教育 ―若干の文献解題をかねて―

      1 現代経済学学習のタテ軸とヨコ軸
      2 学習から研究へ
      3 「働きつつ学ぶ」教育・研究集団
      4 古典を備えてゆく問題

 現代経済用語・参考文献小辞典



 <執筆者>

  池上 惇 (序章、第2章、第7章、補論)
  林堅太郎 (第1章)
  小野秀生 (第2章)
  二宮厚美 (第3章、第4章)
  本多三郎 (第5章)
  坂井昭夫 (第6章)

▲このページの先頭へ


第2巻 『資本論』と現代経済(1)
  1978年9月 1,500円

『資本論』を<労働と生活=人間の発達の経済学>の基礎理論として再発見し,その新しい読み方を考える!

『資本論』,それは経済学の生み出した最高の理論的遺産であり,現代資本主義研究のための知的源泉である。本書は,従来の学習方法とは異なる斬新な現代的視角で『資本論』の今日的意義を追究するとともに,その研究・学習の方向を大胆に示唆する。


 はじめに
      1 現代経済と「欲求不充足」
      2 凡庸とファシズム
      3 工場法による営利主義と官僚主義の規制
      4 日本の経済学と民主主義的法律

 序章 現代経済学と『資本論』 ―工場法と経済学批判―
      はじめに――人間の発達と工場法
      1 「第1版序文」とイギリス工場法
      2 所有の経済学と労働の経済学 ―『資本論』と経済学批判―
      3 『資本論』と各国労働者階級の発達史
      4 『資本論』の読み方
      おわりに ―現代経済学と『資本論』

 第1章 労働日 ―工場法体制における労働と家族―
      はじめに――労働日短縮の人類史的意義
      1 労働運動と工場法
      2 家族、地域、工場法
      3 労働日の限界-所有権対生存権
      4 工場法と未来の社会

 第2章 協業とマニュファクチュア ―共同体の解体と再建にむけての胎動―
      はじめに――生産過程の自然発生的な姿とはなにか
      1 共同体における協業と資本主義における協業
      2 協業のもとでの分業のきっかけ ―精神労働と肉体労働―
      3 分業にもとづく協業の生産力
      4 社会内分業・階級・国家
      5 小括――共同体の解体と再建

 第3章 機械と大工業(1) ―機械と労働者の発達―
      1 機械とはなにか
      2 機械の資本主義的利用
      3 機械経営が労働者に及ぼす直接的影響
      4 機械体系に合体された労働者-工場

 第4章 機械と大工業(2) ―社会的分業の発達と工場法―
      1 工場制度の発達と社会内分業
      2 工場法と労働者階級の成長

 第5章 大工業と住民生活
      はじめに ―工場法と人民憲章
      1 「協業にもとづく分業」と分業にもとづく協働
      2 社会内分業・協業の展開と住民生活
      3 住民生活と工場法
      4 産業革命と行政革命
      5 民主主義論への展望

 補論 大工業と農業
      1 「資本制生産様式」・「人間自然・土地自然」
      2 人間自然の破壊・貧困化・社会化
      3 資本制生産様式と土地自然

 『資本論』の学習によせて
      1 偉大な変革の時代における『資本論』学習
      2 労働の経済学と古典学習
      3 生存競争・家族の解体・現代民主主義 ―エンゲルスの3つの文献―
      4 年表・辞書・ノート・手紙あつめ



 <執筆者>

  池上 惇 (はじめに)
  森岡孝二 (序章)
  湯浅良雄 (第1章)
  中谷武雄 (第2章)
  吉田文和 (第3章)
  林堅太郎 (第4章)
  二宮厚美 (第5章)
  梅垣邦胤 (補論)

▲このページの先頭へ


第3巻 『資本論』と現代経済(2)
  1978年12月 1,500円

本講座の第2巻では,『資本論』を第8章の「労働日」から読みはじめることで,そのすぐれて現代的な意義を鮮明に描きだしてきた。つづくこの巻では,『資本論』第1巻の論理展開の順序にそくして考察し,そこに貫く唯物史観的な人間の発達論――本講座のめざす現代経済学の理論的核心――を,労働と生活の現実を見据えながら追究する!


 序章 経済学と歴史変革
      1 経済学と労働時間
      2 資本-人間と自然の浪費者
      3 『資本論』と歴史変革

 第1章 商品と貨幣 ―資本主義社会の「経済的細胞形態」―
      はじめに――問題の限定
      1 商品分析 ―「人間と人間の関係」の析出
      2 商品=貨幣関係 ―「人間と人間の関係」の性格規定
      おわりに ―労働の二重性の意義

 第2章 貨幣の資本への転化
      1 第二篇とマルクスの方法
      2 貨幣はなぜ資本に転化するか
          ―「貨幣としての貨幣」→「資本としての貨幣」(その1)―
      3 貨幣はどのようにして資本に転化するか
          ―「貨幣としての貨幣」→「資本としての貨幣」(その2)―
      4 貨幣はなにによって資本に転化するか
          ―「資本としての貨幣」→「資本」―

 第3章 剰余価値の生産
      1 対象と課題
      2 絶対的剰余価値の生産 ―資本の生産過程の基礎分析―
      3 相対的剰余価値の生産 ―資本の生産過程の具体像―

 第4章 生産的労働と不生産的労働
      1 生産的労働論の現代的意義
      2 人間の社会的生活過程と生産的労働の本源的規定
      3 生産的労働の資本主義的規定とその過渡的諸形態
      4 若干の展望

 第5章 労賃
      1 「労働の価格」論批判と労賃分析の視点
      2 剰余価値生産・資本蓄積過程と労働力の価値および労賃の変化
      3 労賃形態とその展開

 第6章 資本の蓄積過程
      はじめに―蓄積論の課題
      1 資本蓄積論の位置
      2 資本関係の自立性 ―資本主義的再生産の一般的考察―
      3 拡大・深化する資本-賃労働関係
      4 資本蓄積の一般法則 ―資本の増大と労働者階級の運命―

 補論 アイルランド ―イギリスにおける資本蓄積とアイルランド人労働者―

 第7章 資本主義の本源的蓄積
      1 本源的蓄積論の位置
      2 本源的蓄積論の課題と意義
      3 本源的蓄積論の構成と内容
      4 近代植民理論

 終章 『資本論』と貧困化論
      1 『資本論』における貧困化論と発達論
      2 マルクスの貧困化論とその性格
      3 『資本論』と現代の貧困

 まとめにかえて ―史的唯物論と経済学・『資本論』第二部、第三部の学習と研究のために―
      1 搾取と発達
      2 第二部「資本の流通過程」
      3 第三部「資本主義的生産の総過程」
      4 「経済学批判」のプラン

 マルクス・エンゲルス年表



 <執筆者>

  森岡孝二 (序章)
  後藤康夫 (第1章)
  尾崎芳治 (第2章、第7章)
  藤岡 惇 (第3章)
  重森 曉 (第4章)
  伍賀一道 (第5章)
  角田修一 (第6章)
  本多三郎 (補論)
  成瀬龍夫 (終章)

  池上 惇 (まとめにかえて)

▲このページの先頭へ


第4巻 『帝国主義論』と現代経済
  1978年 2,000円
 序章 『帝国主義論』研究の一視点
      1 科学としての『帝国主義論』
      2 『帝国主義論』への接近視角
      3 『帝国主義論』の創造的発展をめざして
          ―一例としての「他人の不払い労働にたいする支配―」
 第1章 生産の集積と独占
      1 独占と金融資本の理論と現代経済
      2 生産の集積と精神労働の集積
      3 『帝国主義論』と独占
      4 独占の資本蓄積と官僚機構への展開
      おわりに――「独占理論」への回顧

 第2章 銀行の新しい役割と金融資本
      1 銀行業務の集積と金融資本の成立
      2 金融資本的蓄積の諸特質
      3 金融資本の寄生性とその意義
      補論 金融資本論争をめぐって

 第3章 資本の輸出
      1 第四章「資本の輸出」の位置と意義
      2 「資本の文明化作用」と資本の輸出
      むすびにかえて――資本の輸出と地域支配

 第4章 帝国主義と世界分割
      1 『帝国主義論』と世界分割
      2 第二次大戦後の世界経済と世界分割

 第5章 資本主義の腐朽性と寄生性
      1 第八章「資本主義の寄生性と腐朽」の位置
      2 生産力の進歩と寄生・腐朽
      3 寄生性の意味――金融資本と寄生性との関係
      4 寄生性と「労働者階級変質論」

 第6章 帝国主義的イデオロギーの諸潮流
      1 独占無視の形式をとる独占資本主義擁護論
      2 あからさまな独占賛美論
      3 反独占の衣をまとう独占資本主義擁護論
      4 独占資本主義の変質を説く論調

 第7章 社会主義・共産主義 ―レーニンのブハーリン批判を中心に―
      1 ブハーリンの認識論的誤り
      2 帝国主義の理論と革命
      3 社会主義の建設

 補論 1 インフレーションの国際的展開
      1 資本主義の危機とインフレーション
      2 ニューディールの通貨政策
      3 インフレーションと金集中
      4 国際的インフレーション体制

 補論 2 「多国籍企業」と国家主権
      1 「多国籍企業」と租税回避
      2 「租税インセンティブ」と課税の公平
      3 国際的課税調整とその役割

 むすびにかえて ―『帝国主義論』の学習を深めるために―

 レーニン・『帝国主義論』年表



 <執筆者>

  坂井昭夫 (序章、第6章、むすびにかえて)
  二宮厚美 (第1章、第2章)
  中村雅秀 (第3章)
  奥田宏司 (第4章)
  池上 惇 (第4章)
  青木圭介 (第5章)
  岩林 彪 (第7章)
  横田綏子 (補論1)
  鶴田廣巳 (補論2)

▲このページの先頭へ


第5巻 現代経済学論争
  1978年 2,200円
 序章 現代経済学論争と現代資本主義研究
      はじめに――「発達の経済学」と現代経済学
      1 日本資本主義と国家独占資本主義論
      2 国家独占資本主義論争の系譜と現局面

 第1章 日本資本主義論争
      1 戦前日本資本主義論争
      2 戦後日本資本主義論争

 第2章 帝国主義論争
      1 第二次大戦前の主要論争
      2 第二次大戦後の主要論争
      3 現下の問題状況

 第3章 金融資本論争 ―スウィ―ジーの金融資本否定論をめぐって―
      1 スウィ―ジーの金融資本否定論
      2 ヒルファディングとスウィ―ジー
      3 パーロのスウィ―ジー批判
      4 「マルクス主義的経営支配」論をめぐって
      むすびにかえて――スウィ―ジーの自己批判と金融資本の概念

 第4章 地域・自治体論争
      1 民主化と反動化(1945‐1955年)
      2 「高度成長」と現代地方自治論の展開(1955-1965年)
      3 政治の革新と自治(体)理論の新たなる発展(1965‐1975年)
      4 「転換期」における地域・自治体論

 第5章 技術論論争 ―資源浪費と技術跛行をめぐって―
      1 巨大化技術論争と史的唯物論
      2 現代資本主義における資源浪費と技術の破壊性をめぐる論争

 第6章 現代貧困化論争 ―理論的方法を中心に―
      1 戦後貧困化論争の段階区分
      2 貧困化法則の把握とその到達点
      3 「現代的貧困」論の展開
      4 貧困化と主体形成

 第7章 所有論争と社会主義 ―平田清明氏の「市民社会論」「自主管理論」を中心に―
      1 「市民社会論」と「個体的所有の再建」
      2 「自主管理論」と「社会的個体」
      3 資本主義と変革主体の形成
      4 社会主義と「自主管理論」

 現代経済学論争を深めるために ―問題の所在と参考文献―



 <執筆者>

  二宮厚美 (序章)
  佐々木雅幸 (序章)
  長島 修 (第1章)
  小野秀生 (第1章)
  坂井昭夫 (第2章)
  森岡孝二 (第3章)
  田中重博 (第4章)
  北条 豊 (第5章)
  成瀬龍夫 (第6章)
  芦田文夫 (第7章)

▲このページの先頭へ


第6巻 現代日本資本主義論
  1982年3月 2,400円

日本経済の現在を多角的・総合的に分析して,日本資本主義の機構を解明――スケールの大きな日本経済論!


はじめに 現代日本経済分析の方法
      1 世界的「合理化」運動の起点としての現代日本経済
      2 日本資本主義社会の機構をめぐって

 序章 日本資本主義の現段階
      1 80年代の危機の構造
      2 日本資本主義の到達点
      3 経済の軍事化と国民生活

 第1章 戦後日本資本主義の制度的基盤
      1 戦後改革と国家独占資本主義の再編成
      2 対米従属的「自由化」体制の基本構造

 第2章 日本型金融資本の発展
      1 戦後日本の産業技術と系列支配―その強さと弱さ
      2 日本型技術と資源の浪費性
      3 日本的経営と労働力管理
      4 流通・金融・財政の集中性とキャピタル・ゲイン
      5 日本型金融資本の諸特徴

 第3章 日本資本主義の産業構成
      1 戦後日本資本主義の構造的特質
      2 統計的検証
      3 最近の動向

 第4章 現代日本資本主義の危機と産業構成
      1 「国際化」のなかでの産業政策
      2 資源割当下の産業統制と資本蓄積

 第5章 地域開発と資本輸出
      はじめに――地域開発の一般性と日本型地域開発の特殊性
      1 戦後日本の地域開発とその帰結
      2 資本輸出の展開過程
      3 「新全総」と国土利用の再編成
      4 地方自治と地域経済の再建

 第6章 現代日本の貧困化と階級構成
      1 貧困の現代的意味と形式の変化
      2 現代日本の金融資本体制と貧困と発達の現代的形式
      3 現代における民主主義的統治能力の形成過程と「階級・階層同盟」の新しい内容

 第7章 安価な政府と経済民主主義
      1 戦後改革の意義と今日の財政危機
      2 社会保障における「パイの理論」と高貯蓄
      3 行蓄積と国民生活
      4 安価な政府と財政改革

 第8章 戦後日本農業における変革主体の形成
      1 戦後日本農業の展開と農業の生産主体
      2 80年代農政と変革主体の形成
      3 農業後継問題をめぐる諸状況

 終章 戦後日本経済における民主主義的統治力量の発達過程
      はじめに――戦後民主主義運動と統治力量
      1 「安保体制」の生産力的基礎と潜在的な統治能力の形成
      2 「憲法をくらしに生かす」運動の展開
      3 差別と分断を克服して

 あとがき



 <執筆者>

  池上 惇 (はじめに、終章、あとがき)
  野村秀和 (序章)
  柳ヶ瀬孝三 (第1章)
  小野秀生 (第2章)
  重森 暁 (第3章)
  林堅太郎 (第4章)
  鈴木 茂 (第5章)
  土居英二 (第6章)
  加藤一郎 (第7章)
  鈴木文熹 (第8章)

▲このページの先頭へ



Home書籍